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文献詳細

雑誌文献

臨床外科13巻6号

1958年06月発行

文献概要

症例

Honvan(Diethyl dioxy stilben diphosphate)に依る前立腺癌の治療経験

著者: 原正義1 辻村明1

所属機関: 1公立竹田病院外科

ページ範囲:P.574 - P.577

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I.緒 言
 前立腺癌は外国では男子の癌の中で最高率を競う重大な疾患と考えられ剖検例から50歳以上の男子の15〜20%という大きな発生頻度を挙げておるが,本邦に於てもこれ程ではないにしても老人性疾患の中では前立腺肥大症と共に重要な疾患として取扱われていることに異論はない様である.ところがこの前立腺癌の治療に関しては化学療法の発達した今日に於ても他の臓器の悪性腫瘍と同様早期発見と根治手術が根本原則であることに変りはないのであるが,実際問題としては私共臨床家の日常経験するものゝうちにはこの根治手術非適応例が非常に多いのであつて,この根治手術非適応症例に対してはHuggins & Hodges等の創めた抗男性ホルモン療法が賞用せられて来たのであり,又その他にも幾多の補助的療法も考案されてはいるが他の臓器の癌に於けると同様,私共臨床家の満足し得るものは甚だ少いのである.
 然るに最近ドイツに於てはH. Druckrey,P. Danneberg,D. Schmähl等によつて創められたホンバン療法が行われて目覚ましい効果がおさめられているが,私共も最近同療法を試みこれがまことに劃企的な療法であることを経験したので,こゝに報告する次第である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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