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文献詳細

雑誌文献

臨床外科13巻7号

1958年07月発行

特集 外科的・内科的療法の限界・2

胆嚢症の内科的治療の限界

著者: 田坂定孝1

所属機関: 1東京大学

ページ範囲:P.603 - P.608

文献概要

I.胆嚢症の概念とその内容
 胆嚢・胆道を中心とする疾患について実地医学的には正確な診断を下すことは必ずしも容易であるとはいえない.胆石症がこれら諸胆嚢および胆道疾患の中心であることも衆知の事実である.近年になつてきわめてすぐれた胆嚢造影剤が臨床応用されるに至つて,たとえぼ胆嚢造影が陰性に終つたということ,つまり胆嚢に造影剤が移行しなかつたということはかなりの確実さを以て病的所見であると考えうるに至つている.しかしこの事実のみを以て胆石の存在を決定しえないことも当然である.一方においてWestphal以来の胆道ジスキネジーという疾患を考えてみると,この診断も実は容易なことではない.理論的にあるいは概念的に本症の存在はもちろん胥定さるべきであり,また実際問題として臨床的諸検査,ことに胆道造影術の進歩により,胆道胆嚢の運動異常,換言すれば胆汁の流出障害が証明せられることもあることは論を俟たない.われわれが臨床的にとりあつかう胆道,胆嚢疾患の場合に,その大部分に炎症を伴つている事実もまた胥定しなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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