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文献詳細

雑誌文献

臨床外科13巻7号

1958年07月発行

特集 外科的・内科的療法の限界・2

癲癇の外科的治療の限界

著者: 陣內伝之助1 沼本満夫1

所属機関: 1岡山大学医学部陣内外科教室

ページ範囲:P.609 - P.615

文献概要

緒 言
 癲癇の外科的治療に対しては,今日なお,賛否両論があるが,それは癲癇というものゝ本態が未だ不明であり,従つてその定義も人によりまちまちであることに大いに起因しているものと考えられる.私どもはこゝに癲癇の外科的治療について述べるにあたり,その定義の不明確さからくる無用の混乱を避るために,この点をまず明らかにしておきたい.すなわち,私どもはHuhlingsJacksonの流れをくむ英米系の神経外科医と同様に,癲癇(正しくは癲癇発作)は,疾患の一つの症状であつて,中枢神経系内におこつた異常に過剰な神経細胞のdischargeによつて惹起された一つの状態であると考えている.従つて本症の外科的治療にあたつては,どこにそのabnormal exces—sive neuronal dischargeが存在するかを的確に診断することが第一である.そしてそれが,現在の外科技術と神経病学の知識で剔除できる部位にあればそれを剔除し,或いはそれが,剔除できない場所にあれば,そのdischargeが他の部に拡がつて全体の機能に悪影響を及ぼさないように適当な部位でその経路を遮断するのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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