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特集 外科的・内科的療法の限界・2
癲癇
著者: 沢政一1
所属機関: 1新潟大学医学部脳研究所
ページ範囲:P.617 - P.624
文献購入ページに移動 与えられた命題は癲癇の内科的療法の限界と云うことである.この命題に対して適確に答え得る人は少くも現在のところ何処にも見出すことは出来ないに違いない.一言にして言うならばそのような限界はあつて無きに等しいのである.そこで本文ではこの困難さの理由について述べ,治療に際して臨床家としてどのように個々の患者に対すべきかについて僅かの経験を基にして私見を述べて見たいと思う.
まず第1に癲癇の本態が依然として不明であることである.ヒポクラテス以前から或は神聖病と云う名に於いて少くも発作症状に関する限り,殆んどすべての症状が正確に見極められ,記載されていると云つても過言ではない.又その本態に関してはヒポクラテスは之を腦に帰し,粘液質のものを侵し,その発生は子宮内に於ける胎児の時代であり,発作の直接誘因としては風の変化であり,南風の時に最も多く,北風之に次ぎ,最後に他の風の場合の順序となる.
まず第1に癲癇の本態が依然として不明であることである.ヒポクラテス以前から或は神聖病と云う名に於いて少くも発作症状に関する限り,殆んどすべての症状が正確に見極められ,記載されていると云つても過言ではない.又その本態に関してはヒポクラテスは之を腦に帰し,粘液質のものを侵し,その発生は子宮内に於ける胎児の時代であり,発作の直接誘因としては風の変化であり,南風の時に最も多く,北風之に次ぎ,最後に他の風の場合の順序となる.
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