icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科13巻7号

1958年07月発行

文献概要

特集 外科的・内科的療法の限界・2

癲癇

著者: 沢政一1

所属機関: 1新潟大学医学部脳研究所

ページ範囲:P.617 - P.624

文献購入ページに移動
 与えられた命題は癲癇の内科的療法の限界と云うことである.この命題に対して適確に答え得る人は少くも現在のところ何処にも見出すことは出来ないに違いない.一言にして言うならばそのような限界はあつて無きに等しいのである.そこで本文ではこの困難さの理由について述べ,治療に際して臨床家としてどのように個々の患者に対すべきかについて僅かの経験を基にして私見を述べて見たいと思う.
 まず第1に癲癇の本態が依然として不明であることである.ヒポクラテス以前から或は神聖病と云う名に於いて少くも発作症状に関する限り,殆んどすべての症状が正確に見極められ,記載されていると云つても過言ではない.又その本態に関してはヒポクラテスは之を腦に帰し,粘液質のものを侵し,その発生は子宮内に於ける胎児の時代であり,発作の直接誘因としては風の変化であり,南風の時に最も多く,北風之に次ぎ,最後に他の風の場合の順序となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?