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文献詳細

雑誌文献

臨床外科13巻9号

1958年09月発行

文献概要

綜説

脊麻の病態生理

著者: 三浦成元1 斎藤俊彌1 荻原浩1

所属機関: 1東京逓信病院 外科

ページ範囲:P.853 - P.859

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I.緒言
 麻酔法は単に手術部位が無痛で患者に苦痛を感じさせないばかりではなく同時に筋弛緩が完全であるとか,腸管が鎮静な状態におかれ術者にとつて手術がやりよいとか更に患者にとつて安全であることが大切な条件であり又同時にわが国の如き経済的に余裕の少い国情の下で,しかも人手も充分に得られない状況に於ては米国等の状態そのまゝをあてはめようとしても無理である.こうした見方をすると最近流行の新しい麻酔法が特殊な場合を別として必ずしも最も適切な方法であるかどうかは難しい問題であるが従来腹部外科の大部分は脊麻によつて行われ且つて脊麻ショック,脊麻偶発症等の概念の下に脊麻が危険視されたが脊麻が果して危険か否かは手技の問題も考えられるがこれらも含めて脊麻の病態生理を解明する必要がある.こゝに於て私は脊麻において最も重要な問題である呼吸相と循環相の二つを取上げ根本的な問題について検討して脊麻の安全さを確信すると共に最も有効な対策について少々知り得たので発表する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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