文献詳細
術技
Parkinson症候群の治療としてのCooper氏淡蒼球破壊術
著者: 星野列1 松永守雄1 伊藤隆1
所属機関: 1京都大学医学部外科学第1講座
ページ範囲:P.861 - P.864
文献概要
一方,1954年I.S.CooperはMonro孔の中心より5mm後方の垂直前額断面において,頬骨弓の直上部と第3腦室の最上部とを結ぶ線(AB)は同側の淡蒼球内半部を通過し,かつ淡蒼球内半部の中心はこの線上で側頭葉皮質表面から4.5cmの深部にある(第1図)という解剖学的所見を基礎として,簡単な定位装置による淡蒼球破壊法を提唱した.第2図はCooperの原図に従つて我々の作製した装置で,3コの固定釘によつて頭部に固定するのであるが,先端の固定釘(1)の方向と針保持器の方向とが厳密に同一線上にあるように設計してあるので,この線が前記の頬骨弓直上と第3腦室最上部とを結ぶ線(AB)に一致するように装置を頭部に固定し,針を腦表面から4.5cm深部にまで進めれば淡蒼球に刺入する訳である.
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