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文献詳細

雑誌文献

臨床外科14巻10号

1959年10月発行

外国文献

小児の腸重積症

ページ範囲:P.1091 - P.1091

文献概要

 Glasgow国立小児病院で最近10年間に400例の腸重積症を取扱つたが,その統計的考察の要点は次のとおりである.(1)発病後の時間経過とともに整復不能例が急に増加し,同じに死亡率も高くなる.発病後48時までは整復不能も死亡率も10%以内であるが,48〜72時間の間では半数以上が整復不能となり,死亡率も30 %をこえた.(2)手術時に回盲部リンパ節の単純肥大があり,これは重積発生と関係があるものと考えたい.患児の鼻咽腔粘膜やこのリンパ節からACPヴイールスを証明することがある.(3)年令別頻度では生後4〜5月と,2〜3歳とに2つの著明な山をみとめる.1年末満は62.5%,1〜2年は50例,2〜3年は38例である,春季の頻度は秋のそれの2倍である.(4)回結腸型53%,回盲腸型34.3%,結腸型4.5%,小腸型6.25%である.(5)便に血液をみとめるのは159例にすぎないが,直腸指診を行うと76%の高率に血液の附着をみとめることができるから,指診を省略してはいけない.レ線検査では大腸内ガスの消失と小腸内ガス拡張像に注意する.重積腫瘤は78%に触知できるが,その部位はほとんど腹部全体にある.全身麻酔を行うと触知できるようになるものが1.8%にあつた.(6)バリウム粥高圧浣腸整復法はよい方法であるが,発病後24時間以上すぎたものはこの方法にあまりこだわつてはならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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