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肝硬変患者の食道静脈瘤よりの出血は門脈吻合手術により軽快することは明らかであるが,生命延長に対する評価はむずかしい.Mayo clinicで1909〜1947の間に脾剔をうけた75例と最近6年間に門脈吻合手術をうけた54例を生存率,術後出血の点で比較した.術後5年の生存率は同様で脾剔群55.6%,吻合群50.9%であつた.術後出血は脾剔の2/3に見られ,吻合群はわずか1/5である.他の論文による非手術の生存率と較べると手術例が成績が良い.これには手術例が手術適応として選択されると共に死亡率の高い急性期を経過したことにより無意識的に選択を受けていることが主因をなす.
脾剔群が後出血の多いにも拘らず生存率が吻合群と同様なのは,肝機能が良いので死因となる血中アンモニア上昇が起らぬためである.
脾剔群が後出血の多いにも拘らず生存率が吻合群と同様なのは,肝機能が良いので死因となる血中アンモニア上昇が起らぬためである.
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