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文献詳細

雑誌文献

臨床外科14巻12号

1959年12月発行

文献概要

症例

先天性気管食道瘻の1例

著者: 楠原淳郎1 林源信1 島崎和郎1 桜井昭彥2 高草木作衛2

所属機関: 1東京医大外科 2東京医大放射線科

ページ範囲:P.1283 - P.1287

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 最近われわれは,胃穿孔を伴つた先天性食道閉鎖(Atresia of the Esophagus)の稀有なる一例に遭遇した.本例は開腹術後に診断を確定し,さらに開胸手術に依る根治手術を行つたが,不幸術後27時間にして死の転帰をとつた症例である.
 文献に依れば食道畸形の中で,気管食道瘻(Tracheo-esophageal fistula)を伴う先天性食道閉鎖は,1642年Schawに依て,初めて記載されて以来外国においては,本症の報告がしばしば見られ,またその手術治験例も現在においては尠くなく,Menghetti,Michaud,Jaubert,Gudbjery,Au—brespy,Roberts,Gross等の報告を見ている.本邦においては大正13年内村の報告を初めとし,現在迄数多くの報告があるが,多くは剖検例で,未だその治験例の報告に接しておらず,唯田村等の胃瘻造設術に依る43日の生存例の報告を見るに過ぎない.本邦では根治手術を行つた症例をきかないので,ここに本症例を報告し御批判を仰ぐ次第である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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