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文献詳細

雑誌文献

臨床外科14巻12号

1959年12月発行

外国文献

急性胆嚢炎,他

ページ範囲:P.1330 - P.1330

文献概要

 急性胆嚢炎のさいに保存的療法でのぞむか,早期手術を行うか,という問題の解決のため134例の自験例につき検討を加え早期手術が最も良いと結論している.胆嚢炎時,胆嚢には出血充血,浮腫の消失する2〜3日頃に線維化が起り,9〜10日に幼若線維組織が著明となり,成熟し遂に萎縮,2〜3カ月で融解する.故に手術は始めの10〜12日がやり易く,それをすぎた物は3〜4カ月待つた方が良い.壊疽,穿孔,蓄膿限局性膿瘍等の合併症は早期手術でさけることができる.穿孔の92%は胆嚢管に嵌入した石のため閉塞が起り,胆嚢は拡張し壁が局所貧血に陥入るため発生す.残りは炎症と胆嚢動脈の閉塞によつて起る.炎症は普通閉塞により浮腫状になつた壁へ細菌が侵入して二次的に起る.動脈の閉塞は老人や血管病の患者に来る.
 患者の性別は女が62%で多い.年齢は60歳以上が39%,死亡の71%壊疽穿孔の64%はこの群に含まれる.手術は胆嚢剔出が選択的で重症の場合は胆嚢造瘻術を行う,総胆管切開は結石の存在が確実な時のみ行う.死亡率は12%,その94%は血管病の共存した患者であつた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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