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文献詳細

雑誌文献

臨床外科14巻3号

1959年03月発行

文献概要

特集 腹部外科 症例

膀胱全剔除術による膀胱癌の1治験例

著者: 白石保夫1

所属機関: 1山口県立医科大学外科学第一講座

ページ範囲:P.271 - P.272

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緒言
 膀胱全剔除術の場合の尿管腸吻合術は1878年Smithによつて萎縮膀胱の治療に応用せられ,又Maydlは両側尿管下端を膀胱三角部と共に切除し,これをS字結腸彎曲部に移植することに成功して,その用途が見出された.1910年Coffeyが犬の粘膜下斜行管形成法に成功し,1911年Mayoがこの方法を臨床的に応用してから急速な普及が見られ,Cordnnier,Nesbit,Kerr and Colby等によつて種々の改良法が実施された.最近の手術手技の進歩は,化学療法や麻酔の進歩と相俟つて尿管処理を著るしく安全且つ容易ならしめ,膀胱癌に対する手術的療法も積極的となり,膀胱全剔除より更に進んで骨盤腔内臓器全剔除まで行われるようになつた,私は最近膀胱癌の1症例に遭遇したので,これに全剔除術を施し良好な成績を経験したのでその経過を報告し,併せて尿管処理の問題について考察を加えてみたいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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