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特集 腹部外科 症例
腸管嚢腫の1治験例
著者: 代田明郞1 三樹勝1 国吉真敏1
所属機関: 1日本医科大学松倉外科教室
ページ範囲:P.277 - P.281
文献購入ページに移動腸管嚢腫に関する文献的記載は,既に古く1813年Tiedemann1)によつてなされ,次いでHousto(1814),Raesfeld2)(1853),Wyss3)(1870),Henning4),Sänger u. Klopp(1880)等の報告があるが,本症の自家経験例と共に系統的詳細なる報告をなしたのは,1881年Roth5)である.爾来欧米に於てはColmers6),Gfeller7),Lauche,Steammler8),Kettel9,31-54)等比較的多く報告されているが,本邦に於ては松岡10),田村11),木村12),上野13),田中等14)−30)20数例の報告に接するに過ぎない.
而して本症は臨床的に術前適確なる診断を下すことは先ず困難で,イレウス症状,腫瘤其の他種種なる臨床症状を呈して開腹され,或は剖検に際し,或は他の疾患で開腹された際偶然発見されるものである.
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