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文献詳細

雑誌文献

臨床外科14巻5号

1959年05月発行

文献概要

検査法

末梢血管の手術に必要な検査法

著者: 飯島登1

所属機関: 1東大木本外科

ページ範囲:P.485 - P.488

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 血管の外科的疾患において一般的なものとしてRaynaud症候群,Burger氏病,動脈瘤,動静脈瘤,血管腫,静脈瘤,静脈炎,動静脈血栓症等を挙げることが出来る.血管外科の近年における長足の進歩は代用血管移植によつて更にその外科手術適応の範囲が拡大せられつつあることは云うまでもない.勿論代用血管を使用する腹部胸部大動脈瘤の移植術においては手術,開腹,開胸そのもの或いは血流遮断,と云つた大きなストレスに関する種々の全身的な検査は充分に行わねばならない.ここでは実地外科医にとつて日常取扱う末梢血管を主として,簡単に施行し得る検査法について述べる.臨床医家にとつての第一の問題はそれが機能的なものであろか,器質的なものであるか,閉塞あればその位置とその範囲,側副血行の発達程度を知ることであるう.それと同時に対症的及び外科的治療を加えた後で循環障害が改善されたかどうかを決定することが必要である.勿論血管の解剖,生理的特色に基く基礎理念を充分に把握することは今更述べるまでもない.血管系の疾患においては一般に患者の疼痛の訴え,表面温度の変化,知覚異常,「だるい」「つれる」「疲れ易い」「冷え性だ」と云つた自覚症状の他に脈搏の微弱化または消失,皮膚色調の変化,潰瘍,脱疽と云つた他覚的所見の一つでも充分注意する心掛が必要であろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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