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文献詳細

雑誌文献

臨床外科14巻5号

1959年05月発行

文献概要

統計

蛔虫によるイレウスについて

著者: 岩沢貞1

所属機関: 1日本医科大学 齊藤外科教室

ページ範囲:P.489 - P.493

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緒言
 本邦における蛔虫の蔓延について,森下教授は1930〜1947年の寄生率は34.7〜60.4%で,特に第2次大戦直後は実に驚くべき増加の傾向を示したが,その後は生活環境の改善に従つて漸次減少に向いつつあるという.しかし農村地帯においては現在もなお相当の寄生率を有しており,槇教授は最近の市部における寄生率20〜40%に対して,農村においては60〜80%に達すると述べている.
 蛔虫に関する研究は内科領域においては勿論多くなされているが,外科領域においても蛔虫の機械的或いは化学的作用,異所的迷入,また所謂蛔虫アレルギー等の機転により,しばしば重篤なる症状を呈するので,従来より幾多の研究がなされている.そしてこれ等は所謂外科的蛔虫症として重要な研究題目であつて,その一項目である蛔虫によるイレウスも亦外科臨床において興味ある問題である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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