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文献概要
薬剤
キシロカイン(高比重)による脊椎麻痺法の経験
著者: 松山公三1
所属機関: 1新潟大学医学部外科教室
ページ範囲:P.499 - P.501
文献購入ページに移動 今日の外科学は手術手技の改良という歴史的な背景は勿論であるが,抗生物質,化学療法剤の発見,並びに麻酔学の発達によつて飛躍的進歩をとげた.手術を正確円滑に遂行し得るには最も手術し易い様に麻酔が施されることが大切である.今日気管内麻酔法の発達によつて,殆んどメスの及ばざるところなしと云つてよい程あらゆる部位における手術が可能になつてきた.しかし今日なお腹部以下の手術においては軽便安全にして麻痺効果の確実である点,また安価に実施出来る点において脊椎麻痺法は外科医に最も愛好される麻酔法の1つである.
1885年CorningがCocaineを用いて犬の脊椎麻痺法実験を行い,Bierがこれを人間に始めて応用して以来,注入薬の改良,麻痺法術式の進歩を繰返しながら次第に安全に実施し得るに至つた.注入薬はCocaineよりTropacocaine,Novocaine,Nupercaine,Pontocaineと変遷し,これ等の比重も低比重が高比重の何れかを使用することが安全であることが分つて来た.また術式も1946年Lemmonは持続脊椎麻痺法を,1947年Sakladは脊椎分節麻痺法を発表し,応用範囲の拡大をみるに至つた.
1885年CorningがCocaineを用いて犬の脊椎麻痺法実験を行い,Bierがこれを人間に始めて応用して以来,注入薬の改良,麻痺法術式の進歩を繰返しながら次第に安全に実施し得るに至つた.注入薬はCocaineよりTropacocaine,Novocaine,Nupercaine,Pontocaineと変遷し,これ等の比重も低比重が高比重の何れかを使用することが安全であることが分つて来た.また術式も1946年Lemmonは持続脊椎麻痺法を,1947年Sakladは脊椎分節麻痺法を発表し,応用範囲の拡大をみるに至つた.
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