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薬剤
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最近,抗生剤療法の普及とともにいわゆる菌交代症の一つとして真菌症の増加が問題視されるに至つた.殊にその治療面において表在性,限局性のカンジダ症には有効な抗真菌剤が発見されているが,一方深在性汎発性カンジダ症に対しては特殊治療法が確立されていない現状である.
われわれは昭和33年6月,食道下部,膵尾部に浸潤した噴門癌に対し,胃全剔,膵脾合併切除術を行い,術後の感染予防および併発した膿胸治療のために抗生剤療法を行つた後に発生した汎発性カンジダ症に対し長期間に亘るマイコスタチン療法を行い良転せしめ得たと思われる1例を経験したので,その臨床経過ならびに細菌学的検査成績について大要を報告する.
われわれは昭和33年6月,食道下部,膵尾部に浸潤した噴門癌に対し,胃全剔,膵脾合併切除術を行い,術後の感染予防および併発した膿胸治療のために抗生剤療法を行つた後に発生した汎発性カンジダ症に対し長期間に亘るマイコスタチン療法を行い良転せしめ得たと思われる1例を経験したので,その臨床経過ならびに細菌学的検査成績について大要を報告する.
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