文献詳細
症例
文献概要
1881年,Baber1)が特有の明るい好酸性の多角大型細胞を有する甲状腺例を報告したのを始めとし,1894年Hürthle2)が幼弱犬甲状腺中に,上述の細胞を発見,その後,Langhans3)の報告もあり,この特別な細胞型の腫瘍に対し,1924年,Ewing4)により,Hürthle cell tumorなる名称が与えられた.爾来,この種の報告は,今日迄,外国では,約200例を数えるが,本邦においては少く,その発生源の問題,良性悪性の問題に関しては,幾多の未解決の問題が残されている.最近,われわれも多発性嚢腫性甲状腺腫の診断の下に,剔出術を施行し,組織学的検査の結果,その1例を経験したので報告し,文献的考察を加えた.
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