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文献詳細

雑誌文献

臨床外科14巻6号

1959年06月発行

症例

溶血性連鎖球菌筋炎の1例

著者: 佐々木忠重1

所属機関: 1九州大学医学部整形外科教室

ページ範囲:P.681 - P.683

文献概要

緒言
 多発性筋炎は欧米においては報告例の少い疾患であるが,わが国では可成り古くから,臨床的にも実験的にも多くの文献が見られる.特にその成因に関しては種々の説が提唱され,未だ諸家の意見は一致しない所である.小沢教授は本邦に多いことから,白米常食によるビタミンB1欠乏によるものだとしているが,白羽,古川,西脇,奥田の諸氏は,多発性筋炎患者,および実験的に多発性筋炎を起させた家兎についてのビタミンB1定量を行つて,その値は総て正常範囲内であつたと述べている.しかし乍ら白羽教授は,ビタミンB1欠乏時に筋組織の間質細胞の増加,筋線維断裂,変性などが見られるという間島氏の報告や,鈴江教授らの脚気心のアレルギー発生説から考えて,化膿性筋炎におけるビタミン欠乏と,アレルギーとの間には何等かの密接な関連があるかも知れないことを示唆している.また古川氏はミオグロビン抗体が筋膿瘍に際して血清中に出現するので,このミオグロビン抗体によつて起つた局所過敏症が中核となり,これに流血中の生菌が侵襲して,多発性筋炎が起るのであると云う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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