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症例
文献概要
肝臓ゴム腫は比較的稀有なる疾患にして,駆梅療法の進歩せる今日その数は著しく減少しており,臨床的に遭遇することは極めて少なく,また看過され易いものである.McCraeの統計によれば27,000人の外来患者の中,僅か56例,全例中の0.2%に過ぎず,また屍体解剖により見出されたものは3,300例中46例,すなわち1.5%であつたと述べている.われわれは梅毒血清反応を誤認した為肝腫瘍の疑いで開腹し,摘出標本の検鏡により初めて肝臓ゴム腫と確認した1症例を経験したので文献的考察を加え,ここに報告する.
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