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1951年以後5年間のヘルニア,胃,胆道,甲状腺,腸などの手術1400例を,それぞれほぼ同数に分けて,抗生物質投与群と非投与群として比較してみると,手術創感染の発生率は各手術群とも抗生物質の投与の有無にかかわりなく,両群平均でも投与群8.4%,非投与群8.5%であつて,抗生物質をこの目的に用いることは全く意味がないことがわかつた.感染菌はブドウ球菌50%,ブドウ球菌と混合感染13%,ブドウ球菌のない混合感染13%,大腸菌12%,変形菌6%,腸球菌2%などである.これ等感染菌の抗生物質に対する抵抗性を示すものの率は,ペニシリソに対し75%,テトラサイクリンに対し22%,エリトロマイシンに対し10%,オレアンドマイシンに対し4%であつた(1957年調査).すなわちエリトロマイシン,オレアンドマイシンは最も効果があるが,ペニシリンはほとんど効果がない.しかし1956年の調査と比較するとテトラサイクリン,エリトロマイシン,オレアンドマイシンに対する抵抗菌も増加している.
病院勤務者の菌保有率は,看護関係者120人中52.5%が保有しており,このうち1/4は皮膚に,3/4は鼻咽腔に菌を証明した.
病院勤務者の菌保有率は,看護関係者120人中52.5%が保有しており,このうち1/4は皮膚に,3/4は鼻咽腔に菌を証明した.
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