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文献詳細

雑誌文献

臨床外科15巻1号

1960年01月発行

綜説

イレウス時におけるヒスタミンの再検討

著者: 代田明郎1 三樹勝1 守谷林太郎1 大川共一1

所属機関: 1日本医科大学松倉外科教室

ページ範囲:P.23 - P.32

文献概要

Ⅰ.緒言
 松倉教授1)は第54回日本外科学会総会宿題イレウスにおいて,イレウス時の血中有効物質の本態は種々なる角度より検討した結果,ヒスタミンに非ずしてアセチールコリンなることを確認すると共に,本有効物質はイレウス時血中ならびに腹水中に著しく増量することを立証し,イレウス時生体はアセチールコリンの過剰産生により甚だ重篤なる障害を蒙り死に至るものといわゆるアセチールコリン説を提唱され,爾来アセチールコリンがイレウス時の有効物質の本態である幾多の事実を発表2-11)されている.
 ところで従来よりいわゆるイレウス毒物の本態としてヒスタミンが有力視されているので,われわれは松倉外科教室におけるイレウス死因の本態に関する研究の一環として,ヒスタミンに就いても再検討しているのであるが,今回はイレウス時の血中ならびに諸臓器組織におけるヒスタミン,これが分解酵素たるヒスタミナーゼならびに生成酵素たるヒスチジンデカルボキシラーゼの変動に関するわれわれの研究成績の一部を次に報告しよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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