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文献詳細

雑誌文献

臨床外科15巻1号

1960年01月発行

薬剤

胸部外科領域におけるノバミンの鎭吐作用について

著者: 長沢直幸1 山下政行1 仙田善朗1 岩瀬敬治1 井上スミ1 中島芳郞1 兪長昌1

所属機関: 1京都厚生園

ページ範囲:P.55 - P.58

文献概要

緒言
 肺疾患に対する外科的処置の後にはしばしば嘔吐がみられる.特に肺手術後における嘔吐は,吐物を気道内に吸引することにより窒息ないし感染を招来する危険があり,また,栄養の経口摂取を困難ならしめている.また手術侵襲に伴う複雑な水分電解質代謝が嘔吐により一層複雑なものとなり,そういったことが原因になつて術後の衰弱を強め,ひいては手術の予後をも左右することになつている.
 鎮吐剤としては,これまで種々のものが市販されているが,いずれも一長一短があり,副作用がなく,しかも鎮吐作用が強く,種々の原因による嘔吐にも奏効するといつたような理想的な薬剤は得られていない現状である.特に手術直後の患者に対しては経口的薬剤投与が不可能である為に,注射による他なく,かかる薬剤の出現が切望されていたわけである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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