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文献詳細

雑誌文献

臨床外科15巻3号

1960年03月発行

薬剤

外科領域におけるParmanilの使用経験

著者: 鍋谷欣市1 和田房治1 泉武1

所属機関: 1千葉大学医学部中山外科教室

ページ範囲:P.247 - P.255

文献概要

 外科手術の施行にあたつては必ず循環系に少なからざる影響がおよぶため,術前に心機能障害を認めた症例の適応決定は重要である.また手術侵襲によつて思いがけない心性危機発生をみることもあり,殊に近年は開胸大手術が盛んに行われるようになつて,術後冠不全の発生ないし増強はしばしば経験する所である.したがつて手術施行のためには極めて確実な効果をもつ心剤は欠くことができないものである.
 私共の教室では食道癌,胃癌をはじめ多数の消化管癌患者の手術を行つているが,術前全例に心電図検査を行い適応決定の一指針としている.そして今迄は適応外とみなされたような心疾患患者にも根治手術を行い適応の拡大に努めて来たが最近におけるParmanil(Hoechst)の出現はかかる大手術施行にさいして,有効なしかも副作用の少い心剤の一つとして教室では臨床例に使用している.ParmanilはOxyaethyltheophyllinとAdenosinの合剤で,Oxyaethyltheophillin 220 mgとAdenosin 4 mgを含むものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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