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文献詳細

雑誌文献

臨床外科15巻3号

1960年03月発行

薬剤

パンカルの術後腸管麻痺に対する使用経験

著者: 小坂二度見1 戶谷拓二1 武田淳志1

所属機関: 1岡山大学医学部第一外科教室

ページ範囲:P.257 - P.259

文献概要

1.緒言
 開腹術後の不快な副作用の一つに術後腸管麻痺ないし蠕動不全の問題があり,患者はしばしば腹部膨満感を訴え,かなり長期にわたつて食思不振を来し術後回復を遅らせることは臨床においてよくみるところである.術後蠕動の出現をはやめ,早期に摂食させることにより経口的に栄養をとりいれることが望ましい.このような意味で術後早期の腸運動再開をもたらすべく,私達は開腹術後の患者の管理にあたり腸管麻痺という不快な副作用を軽く経過さすためにパンカル投与を試みた.
 パンカルはD-パントテン酸カルシウムであり1)ビタミンB複合体の構成物の一つで,全組織中に存在し,アセチル化能をもつ補酵素A(コエンザィムA,CoA)の一成分であり,アセチルヒヨリン形成に必要な酵素である.このアセチル化能がパンカルの自律神経系特に腸管運動に作用する薬理学的機転とされている2,3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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