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薬剤
痔疾治療剤Lubritexの使用経験
著者: 綿貫喆1 島文夫1 諌山高雄1 桜井靖久1
所属機関: 1東京大学医学部木本外科
ページ範囲:P.261 - P.264
文献購入ページに移動わが国には痔疾患が多いことはしばしばいわれていることであるが,われわれの外科外来をおとずれる患者のうちでも痔核をはじめとして裂肛,痔瘻,肛囲膿瘍,肛囲掻痒症などの痔疾患患者が1/4近くを占めている.これらの痔疾患に対しては手術療法と保存療法とが行われており,手術療法によつて根治せしめることが理想と考えられるが保存療法が適当と思われる症例も多くかつ保存療法によつても治療効果を十分にあげることができる場合が多い.痔疾患のうちの大半を占めている痔核に対しては従来幾多の手術方法が考案され実施されているが,われわれの取り扱う患者の大部分は軽度の痔核患者であり,また手術療法の適応があると考えられる高度の痔核患者のなかにも炎症症状を伴つたり,疼痛や出血がいちじるしくて手術療法を行う前にある期間保存療法を必要とする症例もかなり見受けられる.
保存療法の薬剤として従来用いられて来たものは坐薬および軟膏である.これらは,カンファーメントール,タンニン,デルマトール,ロートなどを主剤とし,これに鎮痛剤,消毒剤,賦型剤などを加えたものが大部分を占めている.
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