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症例
鎖肛(直腸および肛門閉鎖)に対し一次的腹腔会陰式肛門形成術に成功せる1例
著者: 織畑秀夫1 坪井重雄1 伊野照子1 久慈直太郎2 野田三郎2 畑山道子2
所属機関: 1東京女子医大外科教室 2日本赤十字中央病院産院
ページ範囲:P.265 - P.270
文献購入ページに移動すでに欧米諸国における小児外科領域における開胸開腹手術の進歩は著しいものがある.しかし日本においては未だ劣る点が少くない.新生児の開腹手術も亦その1つと云うことができる.しかし幸いなことに,近年わが国においても小児科,産婦人科の盛んな努力により,また同時に外科手技,麻酔技術,手術前後の輸血輸液および優秀なる化学療法等の進歩により漸く新生児の開腹手術が安全且つ必要なものとして発展するようになつてきた.勿論,未だ欧米に比しては相当に遅れているので,今後一層の研究と努力を要する分野である.
われわれは昭和34年4月,日本外科学会で7例の生後1週間以内の新生児の開腹手術についての経験を報告したが,そのさい,第6例目の症例として生後19時間で腹腔会陰式に一次的に肛門成形術に成功した鎖肛(直腸および肛門閉鎖)について簡単に報告したが,このような一次的根治手術の報告はわが国では最初の例であるので,ここにその詳細を報告し,検討を加える次第である.
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