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綜説
肺切除術後における遺残腔の形態的観察ならびに臨床的意義
著者: 滝原哲一1 原田邦彦1 兼松晴美1
所属機関: 1徳島大学医学部第2外科
ページ範囲:P.389 - P.394
文献購入ページに移動肺切除術後は切除肺の元来占めていた空間が遺残腔となるが,残存肺や胸膜の状態に応じて,air leak,後出血,胸膜炎等が種々の程度に起ると遺残腔に空気,血液,滲出液の貯溜等を伴い,遺残腔は元来切除肺の占めていた空間とはその大きさ,形態等を異にした状態で認められることが多い.従つて臨床的にしばしば問題となるのは,比較的大きい遺残腔が永く残つて,容易に縮小しないで,(1)術後肺合併症,殊に膿胸あるいは気管支瘻等を併発する場合,(2)術後肺機能の低下を伴う場合の2点である.
依つて先ず前者に関連して,肺切除術後の臨床経過に従つて遺残腔の形態的観察を試みた.
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