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綜説
胃癌再発に関する2〜3の問題
著者: 犬塚貞光1 溝口政澄2
所属機関: 1九州大学医学部第2外科教室 2九州大学大学院
ページ範囲:P.649 - P.658
文献購入ページに移動胃癌外科において,最近著るしく進歩したものは,胃切除乃至は胃全摘施行率の上昇と,手術死亡率の低下であるが,その反面,胃癌の根治成績という点になると,決して満足し得る現状ではない.その理由としては色々のものがあげられようが,術後ほど経ずして再発死亡する事もその1つである.然るに,従来の胃癌再発の場合は,これに再度根治手術を行なうことは,初回手術のそれより困難で,多くは姑息的治療を余儀なくされて来た.飜つて,胃癌には一応根治手術を行ない得ても,その大半を再発の為に失なうとすれば,外科医として全く残念な事でもある.従つて,再発胃癌の外科的治療も,胃癌の根治を期する点で重要な課題であると思われるし,更に術後再発例の臨床所見より,胃癌根治手術を反省して,その根治成績を向上せしめることも肝要であろう.
最近,私達は斯の様な観点より,胃癌根治術後の再発乃至再発の危険のある例について外科的処置を行ない,僅かな経験ではあるが,胃癌再発の治療に関して極めて示唆に富む2,3の知見を得たので,茲に症例をあげて聊か論述し,大方の御批判を仰ぎたいと思う.
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