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文献詳細

雑誌文献

臨床外科15巻8号

1960年08月発行

文献概要

薬剤

創傷面pHの測定およびトリプシンの効果

著者: 綿貫喆1 北川龍一1 池田貞雄1

所属機関: 1東京大学木本外科

ページ範囲:P.689 - P.693

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 創傷の治療は外科医にとつて根本的重要な問題であるが,最近の化学療法の発達はめざましく創傷治療において大いに益することがあるのは周知の事実である.しかし創傷のなかには,一斯癒合を営むことが不可能なものもあり,組織の壊死などが創の治癒を妨げる場合も多い.このようなものにたいして近年種々の蛋白質分解酵素の利用がさかんに行われている.
 酵素化学の進歩により,種々の蛋白質分解酵素が分離精製され,enzymatic débridementとして臨床的応用が行われるようになり,いずれも創傷治療にいちじるしく良好な成績をあげている.なかでも1931年Northrop等により膵臓より結晶として取り出されたtrypsinおよび1945年Tillet等により溶血性連鎖球菌より分離精製されたstrepto-kinaseとstreptodornaseとからなるvaridaseが,広く利用されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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