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文献詳細

雑誌文献

臨床外科15巻9号

1960年09月発行

文献概要

薬剤

胃腸管穿孔による汎発性腹膜炎の化学療法—特にPyrrholidinomethyl-tetracycline(Hostacycline)の効果について

著者: 柴田清人1 由良二郎1 神尾辰郎1 大河内正敏1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部第一外科

ページ範囲:P.775 - P.779

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まえがき
 胃腸管穿孔による汎発性腹膜炎は,穿孔臓器によつて多少の相違はあるが,一般に激しい疼痛とシヨツク症状を呈し,できるだけ早く,手術的処置を加えると共に適切な治療を加えなければ生命に重大な危険を及ぼす重症疾患である.多くは潰瘍性の変化によるもので胃または十二指腸潰瘍,チフス性潰瘍が穿孔する.あるいは急性炎症のために壊疽性となつた虫垂胆嚢また絞扼性イレウスで壊疽性になつた腸管が破れるものである.
 従来はこの穿孔性汎発性腹膜炎はかなり高度の死亡率を有したものであるが,手術手技の進歩,術前術後の管理殊に輸液輸血の普及,麻酔の改良,抗生物質を主とする化学療法の発達により最近は余程の時間的に手遅れのない限り生命を救うことができるようになつた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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