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文献詳細

雑誌文献

臨床外科16巻1号

1961年01月発行

文献概要

綜説

膵管挿管法,膵管撮影及び膵管誘導手技

著者: 吉岡一1 斎藤慶一1 溝田弘1 勝又晃一1 長谷光一1

所属機関: 1東京警察病院外科

ページ範囲:P.33 - P.44

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Ⅰ.緒言
 膵管内にチューブを挿入して造影剤を注入し,膵管撮影を行なうには二つの方法がある.一つは十二指腸を切開し,経乳頭経過によるもの,他は膵尾部を切除し尾側端より挿管する方法である.前者はDonbilet,Poppel and Mulholland1)が1947年2月4日に初めて実施している.後者はDuVal(1954)6)が慢性膵臓炎に膵尾・空腸吻合Ca-udal Pancreatojejunostomyを造設するに先だち膵管末端の狭窄ないし閉塞を証明するために実施している.尾側より挿管する法は膵尾側切除を必要とするので特殊の場合以外,一般の診断法としては用いられていない.これに反し乳頭より挿管,造影する法は膵臓の各種疾患に実施され,これまで全く不明であつたその際の膵管の態度(狭窄,閉塞,拡張,仮性嚢胞との関係等)が一目瞭然となり,膵臓外科に一新生面を拓きつつある.殊にLucien Leger7)は近著Chirurgie du pancréasにおいて各種膵疾患におけるPancreatographieの所見を詳述している.
 膵管挿管法は単に膵管撮影を行なうための診断用手技としてのみならず治療法として利用されつつある.すなわち手術中の膵管損傷,外傷による膵断裂等においては挿入された膵管カテーテルを軸として,初めてこれまで行ない得なかつた膵管両断端の縫着修復が確実に行ない得るに至つた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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