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文献詳細

雑誌文献

臨床外科16巻1号

1961年01月発行

文献概要

薬剤

外科領域に於けるBesacolin(Carbamyl-methylcholine-chloride)の試用経験に就いて

著者: 池尻泰二1 草場昭1 友田秀教1

所属機関: 1九州大学医学部第二外科教室

ページ範囲:P.69 - P.76

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緒言
 開腹手術後の排気および排尿困難は,患者ならびに医師を悩ませる外科臨床日常の問題であつてなおざりには出来ない.これら排気および排尿困難は,放置しておいても時間の経過と共に,自然に回復して来るのが常であるが,時には回復が遷延して患者を著しく苦しめる結果となる事がある.このような場合,副作用を伴わず而も手術後早期に腸内ガス排出および排尿を図り得れば,それ丈益する所が多い.腸管,膀胱等の滑平筋の運動は,副交感神経と交感神経の調和の下に正常に営まれ,副交感神経末梢の神経—筋接合部に存在するアセチルコリンが活性化される事によつて,これらの滑平筋は興奮すると言う.従つて,麻痺状態に在る腸管および膀胱を興奮せしめる為には,アセチルコリンを用いるのが最も生理的ではあるが,これは体液中でコリンエステラーゼにより容易に分解されるので効果の消失が早く,純粋なアセチルコリンとしては使用出来ない難点がある.そこで,その安定化と作用強化の点から,各種誘導体の研究が行われるようになり,種々のコリンエステルが合成された.
 われわれは,最近コリンエステルの一種であるペサコリン(エーザイ)を入手試用する機会を得たので,その臨床効果をとりまとめて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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