文献詳細
臨床病理 リンパ節の腫瘍―病理より臨床にささげる
第7回 症状に乏しい頸部リンパ節腫大にまつわる私の右往左往—Zerviko-nuchale LympadenitisとOligosymptomatic lymphadenopathia toxoplasmoticaとの結びつき
著者: 所安夫1
所属機関: 1東大病理
ページ範囲:P.959 - P.966
文献概要
どちらかというと20〜40歳の若いまたは中年の女性で(しかし10歳台や50歳台の男性にも全くないことはないのですが),その頸部一帯のどこかに(つまりZerviko-nuchalに),あまり大きくないリンパ節の腫大を発見し,少しばかり気になるので医家を訪れて剔出してもらい,医家はそのリンパ節をおそらく悪性のものではない筈としてProbeに出したところ,さて──病理学者が迷う所見にぶつかりました──その所見というのは,──原形質ガウス赤ク染マル丁度Epithel-oidzellenト云イタイヨウナ細網細胞性ノモノガ,小集団ヲナスカマタ個在シテ,主ニリンパ節ノ皮質ノ方ニシカシリンパ節ノ到ル所ニ,アラワレテイマスガ,何ヨリモ肉芽性炎症デハナク(!!),目立ツタVerkäsungヤGranulomトイウ印象ハアタエズ,必ズシモLanghans型巨細胞ハミラレルト限ラナイモノデス.コノEpitheloide Zellenノ体内ニハ時アツテ核ノ破壊シタモノガフクマレタリ,マタ銀デ染マル小サナEinschlüsseイワバPropigmentト云イタイEinschlüsseヲミツケタリシマス.(Einschlüsse?ノヨミトリガ,実ハ意外ニ決定的ナ鍵トナルノデスガ,コレハ別ノ全然動機出発経過ヲ異ニシタ研究ノ方カラ,同情スルコトニシマシヨウ).
掲載誌情報