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臨床外科16巻12号

1961年12月発行

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外国文献

癌の5-fluorouracil療法,他

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ページ範囲:P.1051 - P.1058

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 5-fluorouracilは下のような構造をもつantimetabolite.静注で無痛.
 ふつう15mg/kgを5日連用.1日量1gを越えぬ方がよい.その副作用は骨髄抑制で,7割近い数は第1回注射から16〜21日ごろ起る.Staleyらの論文は50例の,すでに他に化学療法のないものをえらび通計130コースの5-f治療を行つた.結腸癌9例では6例に一過性軽快(腫瘤縮少・疼痛軽減・滲出減少・転移巣縮少)があり,その2例は明らかに生命を延長しえた.胃癌6例には他覚的改善なく,4例は自覚的軽快を告げた.乳癌3例は何れも客観的に改善した.膀胱癌3例のうち1例は腹腔内転移巣が触れなくなつた.黒色腫3例には無効.肺癌5例には客観的改善なし.口腔・咽喉等の癌12例は何れも疼痛去り全身状態は良くなつたが,転移巣縮少は著しくない.その他3例無効.Vaitkeviciusらは170例の末期癌を本剤で治療.155例に多少とも副作用あり,白血球減少98,下痢・口腔炎・悪心など.白血球2000以下61例という頻度であつた.ために敗血症を招いた1例あり.また低K血症・消化管出血を招いた5例あり.結腸癌45例では20例に客観的な腫瘍縮少あり.うち9例は何ら副作用なし.乳癌21例では9例に腫瘤縮少.胃癌19例では6例に腫瘤縮少あり,うち2例はかなり改善を見た.卵巣癌11例では7例改善.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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