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文献詳細

雑誌文献

臨床外科16巻2号

1961年02月発行

綜説

胃カメラによる胃潰瘍の良性,悪性の判定について

著者: 藤井喬夫12 島谷信人12 中村正人12

所属機関: 1岡山大学第一外科教室 2竹政病院外科

ページ範囲:P.127 - P.129

文献概要

1.緒言
 われわれが,いわゆる癌年齢の患者において胃潰瘍をレ線検査によつて発見した時,この潰瘍に対する治療方針は,この潰瘍が悪性潰瘍であるか,良性潰瘍であるかを明確に鑑別することにより初めて立てられうるのであつて,勿論,悪性潰瘍であることが明らかとなつたものは,早期に胃切除術を行なうのが理想である.しかし,このような場合,これらの潰瘍をレ線検査により悪性か良性かを実際に鑑別するのは必ずしも容易ではない.
 従来から多くの研究者によつてレ線検査上悪性潰瘍の徴候が種々挙げられているが,実際に正確な鑑別診断がなされえない例が少くないのであつて,島田,中谷,卜部らは組織診断で明らかに悪性潰瘍であつた81例の症例中,レ線検査で良性胃潰瘍と誤診したものが31例にも及んだと報告している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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