icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科16巻4号

1961年04月発行

文献概要

綜説

視床下部の副腎皮質調節因子に関する研究(その1)

著者: 原口亨1

所属機関: 1群馬大学医学部渋沢外科教室

ページ範囲:P.303 - P.315

文献購入ページに移動
緒言
 視床下部が下垂体機能を調節しているということは,すでに各方面から立証されている.視床下部と下垂体前葉との間には,現在の所,視床下部と下垂体後葉との間に見出されているような,直接的な神経連絡は認められていない.しかし,特殊血管系である下垂体門脈系が見出されている(Wilsocki & King,1936,Green & Harris,1947.1949.および,Xuereb et al.,1954).Harris & Jacksohn(1952)および,Jacksohn(1954)によれば,下垂体前葉の機能は,この下垂体門脈系に左右されるとのことである.下垂体前葉の機能,とくにACTH分泌を促進する視床下部産生の体液的化学的物質が存在するのではないかと考えられ研究されている.Green & Harris(1947)が視床下部のneurohumorによりACTH分泌が支配されることを主張して以来,視床下部のACTH分泌促進物質に関する,数々の知見が得られて来た.epinephrine,norepinephrine,acetylcholine,vasopressin,oxytocin,histamine,serotoninがその物質ではないかと推論されたが,最近その重要性が減じて来ている.Porter & Rumsfeld(1956)は,下垂体門脈より採血し,その血漿にACTH分泌を促進する物質があることを見出している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?