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文献詳細

雑誌文献

臨床外科16巻4号

1961年04月発行

綜説

外科領域疾患における血清コリンエステラーゼの臨床的意義について(1)

著者: 三樹勝1 守谷林太郎1 大川共一1 田所孝1 田中竜彦1 藤島義一1 飯田安彦1 内藤委仲1

所属機関: 1日本医科大学 松倉外科教室

ページ範囲:P.317 - P.323

文献概要

緒言
 各種疾患において生体が示す反応,いわゆる病態生理の究明が疾病の診断,治療方針の決定,予後の判定等に重要な役割を演じていることは論を俟たないところであり,これら知見についての最近の進歩は日進月歩の著しいものがあるが,生体内のこれら反応機構は誠に複雑であつて,その一つを以て全てを解明するわけにはゆかない.特にこれら疾患患者に外科的侵襲の加つた場合においてはなおさらのことである.それ故わが教室においても松倉教授1-5)が血清蛋白と肝機能との関連性を臨床的・実験的に研究発表されたのを始めとし,最近においては血清遊出肝酵素,特に血清トランスアミナーゼを中心とした教室吉葉等6-8)の研究業績によつて,イレウス,胆石症等諸疾患の病態生理の究明が種々なる角度よりなされてきた.
 今回われわれは松倉教授の御指導のもとに,これら教室における一連の病態生理研究の一環として,外科領域疾患特に消化器疾患時における血清コリンエステラーゼと肝コリンエステラーゼ活性値の変動を臨床的ならびに実験的に研究したので,その研究成績を中心に血清コリンエステラーゼの臨床的意義について考察を試みてみたいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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