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文献詳細

雑誌文献

臨床外科16巻5号

1961年05月発行

展望

いわゆるendocrine ulcer—(1)下垂体腺腫をふくむ多内分泌腺腺腫症の消化性潰瘍

著者: 渋沢喜守雄

ページ範囲:P.429 - P.436

文献概要

はしがき
 消化性潰瘍の成立について,ホルモンの演ずる役割はGray(1943),Kirsner(1953,1956),Eise-man(1960)などによつて精しく論ぜられ,すでに周知のところである.潰瘍症成立の内分泌因子は多くの方面から観察されなければならぬが,ここで取扱いたいのは,上皮小体腺腫,膵ラ島腫,下垂体腫瘍などの内分泌腺機能亢進症に,潰瘍症が合併する事実である.たとえば上皮小体腺腫に合併した潰瘍症はRogers(1946)によつて初めて認められ,ついでBlack(1951),Alright(1952)などが追加している.またラ島腫瘍に合併した潰瘍症はWilder(1927)によつて初めて記載され,以後Sailer(1946),Gordon(1946)などの報告をみる,そうした1内分泌腺の腫瘍に潰瘍の合併する現象は,ここではひとまず措いて,1種のみでない多種内分泌腺に同時に腫瘍が存し,そして潰瘍症の合併する場合のみを考えてみたい.つまりpolyglandular adenomatosis with peptic ulcerであつて,潰瘍という面からみればKirsner(1960)の提唱するen-docrine ulcerであり,内分泌腺腫瘍からみればulcerogenic endocrinopathiesである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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