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文献詳細

雑誌文献

臨床外科16巻6号

1961年06月発行

文献概要

症例

甲状腺細網肉腫の症例

著者: 大西韶治1

所属機関: 1九州大学医学部第一外科教室

ページ範囲:P.556 - P.558

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 全甲状腺腫に対する悪性甲状腺腫の発現頻度は大約1〜2%だといわれ1),特に最近10年間にその急激な増加の傾向が見られ,10.7%という数字を挙げている人もある2)が,その殆ど全てが癌腫であつて,肉腫の例は非常に少くHodgeは1928例中5例(0.26%)3),Robertは3856例中15例(0.39%)4),Thomasは3644例中2例(0.054%)5)を記し,特にわが国では川島の63例6)や佐野の64例7)中何れも零で,個々の症例では僅かに20例近くが報告されているに過ぎない.しかも,甲状腺の細網肉腫として報告されたものは,1937年安保の最初の報告8)以来欧米をも含めて10数例を算するのみである.
 われわれは最近,悪性甲状腺腫の診断の下に手術した症例で組織学的に細網肉腫の診断を確定し得たので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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