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文献詳細

雑誌文献

臨床外科16巻6号

1961年06月発行

症例

胃癌切除患者に対する再手術の経験

著者: 村上忠重1 鈴木快輔1 安井昭1 金漢相1 渡辺博芳1 今仁剛正1

所属機関: 1昭和医大外科

ページ範囲:P.583 - P.589

文献概要

緒言
 癌に対する治療法として,最近化学療法剤が進歩しその治験が喧伝されるに到つたが,未だその効果は十分でない.放射線療法についてもまた同様である.ことに胃癌に対してはこの感がつよい.したがつて現在においても,胃癌の治療法としては手術による根治的な切除より確実な治療法はないことになるが,実際はたとえ完全に切除し得たと思つても,再発のために再入院して来る患者の絶え間がないのが現状である.
 したがつて胃癌切除後に,再発が起きた場合,いかなる治療法をとるべきかが極めて大きな問題として残つているのであるが,この点に関しては現在の所ほとんど定則がない.昔風の考えにしたがえば,いかなる処置も無効であるとしてひたすら対症療法,精神療法,あるいは麻薬連用などにたよることになるが,他方先に述べた化学療法や放射線療法を用いて,患者に生への希望を持たせ,多少なりとも延命効果をはかろうとする考えも最近では有力となつて来た.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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