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症例
脳髄膜瘤を合併せるKlippel-Feil氏症候群の1例について
著者: 小崎泰一1 松田穆1 斉藤邦雄1
所属機関: 1岡山大学医学部第1外科教室
ページ範囲:P.594 - P.596
文献購入ページに移動本症候群はLes hommes sans cou,Kurzhals,Con-genital short neck等とも呼ばれ,解剖学的にはすでに1792年Columbus1)によつて報告されている.臨床的には1894年Hutchinson2),1906年Clarke3)の発表をみるが,1912年KlippelおよびFeil4)は本症候群に対して極めて詳細な臨床的,病理解剖学的報告を発表した.そのため本症候群はKlippel-Feil氏症候群と呼ばれるに至つた.すなわち彼等は46歳の男子で頸部が非常に短かく頭が直接肩にのつているようであり,頸部の運動は制限され頭髪の生え際は胸廓の上部まで拡がり,死後剖検において頸柱は4コしかなく,しかも互に癒合し後部脊椎披裂を合併せる1例を報告した.さらに臨床上の特徴として1)頸部の短かいこと,2)後頭部頭髪の生え際の低いこと,3)頭頸部の運動制限のあること,病理解剖学的特徴として1)頸椎数の減少と癒合のあること,2)脊椎披裂の存在すること,3)胸廓の上昇と頸胸廓形成をみることをあげ,二義的症候として脊椎の側彎,円背,肩胛骨の挙上,乳嘴の低下,開口困難,体駆と四肢長の不均衡等があるとのべている.
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