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綜説
開放骨折の治療
著者: 玉井達二1
所属機関: 1熊本大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.621 - P.626
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最近は交通事故の頻発のために,皮下骨折のみならず開放骨折を取扱う機会が多くなつた.自動車による交通事故では,一見健康と思われる皮膚が広汎に亘つて壊死を招くものがあり,また最近の農村機械化による損傷,例えば耕運機等によるもの等では,その受傷する場所から非常に汚染されているものが多い.しかし,この開放骨折の治療も抗生物質の発達,あるいは麻酔,手術法の進歩に伴つて良い成績を納める様になつたが,未だに大した考慮なしに簡単に切断されてしまうものが少くない.また一応治療してあつても,結局高度な化膿を来し,切断の止むなきに至るものがあり,この中には正しい治療が施されたならば当然治癒したと思われるものが決して少くないのである.この様な事実に接する時,開放骨折の取扱いの概略について述べる事も決して無駄ではないと考えられる.
最近は交通事故の頻発のために,皮下骨折のみならず開放骨折を取扱う機会が多くなつた.自動車による交通事故では,一見健康と思われる皮膚が広汎に亘つて壊死を招くものがあり,また最近の農村機械化による損傷,例えば耕運機等によるもの等では,その受傷する場所から非常に汚染されているものが多い.しかし,この開放骨折の治療も抗生物質の発達,あるいは麻酔,手術法の進歩に伴つて良い成績を納める様になつたが,未だに大した考慮なしに簡単に切断されてしまうものが少くない.また一応治療してあつても,結局高度な化膿を来し,切断の止むなきに至るものがあり,この中には正しい治療が施されたならば当然治癒したと思われるものが決して少くないのである.この様な事実に接する時,開放骨折の取扱いの概略について述べる事も決して無駄ではないと考えられる.
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