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文献詳細

雑誌文献

臨床外科16巻8号

1961年08月発行

文献概要

症例

全身性紅斑性狼瘡におけるレイノウ氏症候群の1例

著者: 佐野開三1 中西正三1 森谷有為2

所属機関: 1岡山大学医学部第2外科 2岡山大学医学部第1内科

ページ範囲:P.731 - P.736

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 紅斑性狼瘡は,最近内外において著しく増加の傾向にあることは衆知のごとくである.これはL.E.細胞の発見(Hargraves 1948),および本症の組織学的特異性(Lever 1954,Michelson 1949,Ellis 1954)が広く認識されたことにもよるが,他方近年における医学の発達,ことに化学療法の普及につれて感染性疾患が次第に克服され,allergyまたはhypersensitivityに基くと考えられる疾患群が増加してきたことにもよるであろう.Dubois1)は,1948〜1949年に全身性紅斑性狼瘡(Syste-mic lupus erythematosus.以下S.L.E.と記す)を11例診断したのみであつたが,次の2年間(1950〜1951)にL.E.testの導入によつて44例を診断しており,これは彼の病院で経験した急性リウマチ熱患者の半数の発生率であつたとしている.
 われわれは典型的なS.L.E.でレイノウ氏現象を伴つた症例に両側胸部交感神経節切除術を施行し,自覚ならびに他覚的に好転せしめたのでここに報告し,いささか文献的考察を試みた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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