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文献詳細

雑誌文献

臨床外科16巻8号

1961年08月発行

外国文献

一卵性双生児間の骨移植,他

ページ範囲:P.755 - P.758

文献概要

 著者らはMontrealのRoyal Victorial Hospitalの内科・外科・泌尿器科チーム・一卵性双生児間の骨移植に最初に成功したのは,周知のようにPeter Bent Brigham HospitalのMerrill(1954)であつて,そのMerrill (1960)は二卵性双生児の間で,最近また骨移植に成功した.これで腎移植成功は14例になる計算である.著者らの例は15歳の白人少女,高血圧を伴うテンカンケイレンよう発作で運びこまれた.4歳の時から尿路感染があつた.入院数カ月前から頭痛があつた.3年前扁桃腺手術をうけた.尿蛋白(+++),白血球・キャスト・上皮等多い.NPN82mg/dl,血圧185/140mmHg,両側性の慢性腎孟腎炎で,その結果,尿毒症を発呈したと判断された.その治療を行つているうちに,一卵性双生と思われる同胞がいるとわかり,その同胞の血液・尿検査をするに正常,McGill大学遺伝学教室でしらべてもらい一卵性なることを確認,一族および医事法制上の了解許可を得て,同胞から健康腎をひとつ取つて患者に植えることにした.まず左腎・輸尿管を一組の術者が取る.他の一組の術者は右腸骨窩をひらいて血管吻合・膀胱輸尿管吻合にもある.腎動脈は総腸骨動脈,静脈は総腸骨静脈,輸尿管は膀胱へ吻合し,腎阻血は58分,全手術3.5時間,手術室は厳重な消毒がなされた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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