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文献詳細

雑誌文献

臨床外科17巻11号

1962年11月発行

綜説

手術後無気肺の予防法

著者: 片岡一朗1 蟹江弘之1 駒崎富士男1 加藤恒康1

所属機関: 1日本医科大学齊藤外科教室

ページ範囲:P.1149 - P.1153

文献概要

 手術後の肺合併症には手術後気管支炎,手術後気管支肺炎,手術後肺虚脱,急性肺水腫,肺栓塞脂肪栓塞,肺膿瘍,Pneumonitisおよびlow gr-ade Pneumoniaなどと呼ばれるHypoventilationの状態があり,その他肋膜炎,併存肺結核の悪化なども考えられるが,その発生頻度の最も高率なのは手術後気管支炎,手術後気管支肺炎,手術後肺虚脱などの無気肺群であつて胸部手術,腹部手術などにおける不快な合併症の一つとして術後の経過を不良にするため,日常外科臨床上その予防に重点が注がれている.
 術後の肺合併症の発生頻度を諸家の報告にみると,古くは瀬尾(1939)は3002例の手術のうち103例(3.4%),石山(1939)は胃十二指腸手術では13.7%,胆石手術では12%と報告している.都築,福田外科(1953)における12年間の腹部手術5,782例のうち128例(2.8%)に発生したといい,最近では尾形ら(1960)は1,608例の腹部手術のうち24例(1.49%)に,高橋(1962)は最近6年間の開胸手術を除く手術1,371例のうち9例(0.7%)に発生を見たと報告している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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