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綜説
悪性甲状腺腫について
著者: 原野愛生1 山口洋一郎1 三浦敏夫1 山本尚司1 伊福真澄1 古賀保範1 田崎亟治1
所属機関: 1長崎大学医学部調外科教室
ページ範囲:P.1249 - P.1258
文献購入ページに移動戦後急速な医学の進歩にともない,甲状腺腫に外科的治療を行なう機会も著しく増加し,従来比較的まれとされていた悪性甲状腺腫も13)18)34),他臓器の悪性腫瘍と同じく,近年その発現頻度の増加が広く注目されるに至つた31)48)50)64).
しかし,悪性甲状腺腫は他臓器の悪性腫瘍と聊かその性格を異にし,完成された悪性腫瘍症状をすべて具備するものは少なく,臨床的に結節性甲状腺腫と診断されるもののなかにかなり多数の悪性甲状腺腫が包含されていて6)35)41)63),病理組織学的検索によりはじめて診断が確定する場合が多い.
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