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文献詳細

雑誌文献

臨床外科17巻4号

1962年04月発行

綜説

131I Rose Bengalによる肝,胆道疾患の診断

著者: 穴沢雄作1 平野重明1 中原英幸1

所属機関: 1順天堂大学福田外科教室

ページ範囲:P.261 - P.269

文献概要

 放射性物質が医学の分野に導入されてすでに久しいが,肝臓,胆道系の機能検査として応用されたのは比較的新しい.1952年Dobsonらによる198Auを利用した肝血流量測定は肝の病理生理の研究に大きい進歩を展開させ,さらに198Auや131Iをtracerとして肝臓のscintigramが描記されるに至つた.一方,放射性同位元素を胆嚢疾患の診断に応用したのはOsserの131I-biliserektanやStirrett,Yuhlの131I-diiodofluoresceinがある.これらとは異なり,1955年Taplinらは131I-rosebengalを用いて新しい肝機能検査を提唱した.これに関しては以後,Brown,Lum,Löwenstein,Cohnらの追試があり,本邦においても三輪,久田らの発表が行われている.Taplin以来これによりえられた肝臓の摂取,排泄曲線から肝循環,肝細胞機能や胆道通過性などを分析して肝疾患の診断および黄疸が胆内外性かの種類決定に役立つとされている.なお本法が肝臓機能検査のみでなく胆道系の機能検査としても有用なことをTaplin,三輪,久田らが提唱している.すなわち131I Rose Bengal検査は肝胆道系の一貫した動的な機能検査であつて種々な疾患の病態を明かにする許りでなく,その診断的意義は極めて大きいと考えられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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