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紹介
微量持続点滴管の考案—特に未熟児・新生児等に必要な微量輸液法について
著者: 長谷川博1
所属機関: 1国立東京第二病院外科
ページ範囲:P.283 - P.285
文献購入ページに移動 未熟児,新生児の補液は最近特に注目されている問題であるが,その手技の要点は輸液を始めるに当つての技術と,輸液開始後の維持の問題に大別されよう.すなわち前者は大伏在静脈,頭皮静脈等を選択し,これに注射針を刺入するか,静脈切開を行つたのち,固定をするわけで手技の習熟にも器具の改良にも殆んど改善の余地は残されていない.しかし後者の補液量が少ない場合の流量の正確な維持の問題はむしろ看護婦の管理に委ねられているためもあつて,少ない流量の正確簡便な調節器具は一つの盲点として立ち遅れており,大抵の施設では未だ成人用のセットがそのまま末熟児,新生児にも用いられている.これでは1日の輸液総量300〜500ccを数日間持続する場合,1分間の滴下数を3滴前後に調節せねばならず,正確な流量をうることが甚だ困難であるばかりか,滴下停止の早期発見が遅れ注射針,血管などの栓塞が起り易い.
著者は数年前から点滴セットの点滴管の液滴を従来の1/5以下に小さくして1ccを60〜100滴となし,24時間量が500cc以下の場合でも正確で容易な調節ができるよう考案と改良を重ねて来たが,最近ようやく従来の点滴管と使用法が変らず構造も一見同様で,かつ理想的な機構を完成したので,今までに著者が作成した試作品の段階的な紹介を兼ねてその詳細を報告し,諸賢の御試用と御批判を仰ぎたい.
著者は数年前から点滴セットの点滴管の液滴を従来の1/5以下に小さくして1ccを60〜100滴となし,24時間量が500cc以下の場合でも正確で容易な調節ができるよう考案と改良を重ねて来たが,最近ようやく従来の点滴管と使用法が変らず構造も一見同様で,かつ理想的な機構を完成したので,今までに著者が作成した試作品の段階的な紹介を兼ねてその詳細を報告し,諸賢の御試用と御批判を仰ぎたい.
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