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文献詳細

雑誌文献

臨床外科17巻5号

1962年05月発行

外科の焦点

早期胃癌の新しい問題点について

著者: 村上忠重1 岩波英雄1 安井昭1 渡辺博1 崔相羽1

所属機関: 1昭和医科大学外科

ページ範囲:P.321 - P.330

文献概要

 胃癌を動物の胃に作る実験は未だ十分成功していない.そこで胃癌の発生のメカニズムを知ろうとするには,人の胃の切除標本にたよるより他に方法がない.
 ところが胃癌は初期の間は特有の症状を表わさない.胃症状が表われてから切除した胃にみられるものは,多くは進行した胃癌で,初期の胃癌というにはほど遠いものが多い.私どもが初期の胃癌の組織像を研究した材料は,誇張していうならば,ほとんど全て誤診によるものとさえいうことができる.その一番多い場合は胃潰瘍ないしはポリープの誤診である.もちろんこのような場合を厳密な意味での誤診と名づけるのは,いささか酷であろう.しかし,いずれにせよ,初期の胃癌の組織像を得ようとすれば,すなわち初期の潰瘍癌,もしくはポリープ癌を探がそうとすると,潰瘍もしくはポリープの標本を詳しく調べるのがもつとも有効な方法であつた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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