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文献詳細

雑誌文献

臨床外科17巻6号

1962年06月発行

外国文献

若い婦人の"虫垂炎",他

ページ範囲:P.405 - P.405

文献概要

 若い婦人の虫垂炎というので手術し,炎という所見のない場合は甚だ多い.本報はロンドン諸病院1956〜1957年間の40歳以下の虫垂炎18000例を検討したもので,さすがに英国であると感心させられる.男では虫垂炎で入院するのは12歳が最高(10歳で小峯をつくる年次あり)で17歳ごろ第2のピークをつくり以後漸減する.男の虫垂炎はそれ虫垂炎だというので直ちに入院するのが多い.女子虫垂炎は18歳ごろ急峻なピークをつくり,その前後はずつと少く,10歳ごろ小さいピークがある.そして直ちに入院するものもその峯に応ずるが,"直ち"でない入院者が男に比しずつと多い.腹膜炎合併は14歳以前の小児期に多く,20歳,30歳台には少い.1931から1957まで各年度の女子15〜24歳間の虫垂炎は同年男子の1.7倍になる.24歳までは既婚者より未婚者に多いが,25歳以後は既婚・未婚同率である.17歳女子が虫垂炎として手術される頻度は13歳少女の2倍である.抗生物質が出来る前も出来た後もこの傾向は変らない.これらは虫垂炎として退院するが,組織学的の知見は入手できない.それで真に虫垂炎であつたか否か確める方法がないから,腹膜炎・死亡の頻度から窺うことになるが,その範囲では女子に特に男子より多いという成績はない.米国でも同様らしい.この多い部分(extra)は少くとも虫垂炎ではあるまい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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